函館駅前広場
常日頃から函館駅前広場が気になっていた。非常に広いスペース。植物や照明もお洒落に配置されている。しかし、この土地が会社(JRなど)の所有なのか公のものなのかがわからない。公のものなら、演説をぶったり、チラシやティッシュを配ったり、売れない時代のコブクロ(って言っても、俺は一曲も知らない)のようなストリートミュージシャンがいると楽しいのになーって思っていた。そういえば一度、会社の飲み会で使ったことはあるが。
函館駅前にも仕事場があるので、いつもそんなことを考えながら歩いていたが、なんと、昨日の夕方、ギターを弾く若者がアンプに楽器をつなぎ、二人組で歌っているではないか。とても嬉しくなってしまった。
私はすぐにこの二人組を応援したくなった。そこで、
1、アンプとギターとマイクで生演奏であることを確認した。
2、お金を入れるような箱が用意されているか確認した。
箱は用意されていなかった。謙虚なやつらだなーって思った。その謙虚さがますます気に入った。私は門限をとっくに過ぎていたため、その歌に聞き入る暇も無く、千円札一枚、ピラっとギターのソフトケースの上に置いて「頑張れよ」と声をかけてその場を足早に通り過ぎた。
駐車場に向かう私の耳に、ようやく彼らの歌が入るようになった。
「死んだらみんなどこにいく~」
「われらの主は~」
「救い主は~」
「キリストの愛は~」
などという内容だった。正確じゃないけど。
つまり彼らは布教活動をしていたわけだ。憲法上の信教の自由(第20条)と表現の自由(第21条)という基本的人権を同時に行使していたんだ。
なーんだ、ストリートミュージシャンじゃないんか。
彼らは俺の千円をどう受け止めただろうか・・・。