放射能とのたたかい
福島の原発がチェルノブイリ化したとき、加藤進はどういう判断と行動をするのか。
車を運転し、ラジオを聴きながら、いろんなことを考える。
はっきり言って、運転中、前なんか見てない。どうやって目的地についているのかもわからん。
俺はお父さんだ。3人の子どもに責任がある。俺にだまされた妻もいる。国外に逃げる・・・函館からソウルに飛び、さらに福島県から離れた遠いアジアの物価の安い国に行こうかって考えた。
でも、俺は社長だ。約150人の社員を置き去りにして、俺だけ国外に行く事はできない。社員は家族くらい大事だ。
よし、社員も全員、海外に連れて行こう。給料日直前なら3000万円ある。飛行機一機くらいチャーターできるべ。社員みんなで南の島だ。
でも、社員にも家族がいる。配偶者だったり、子どもだったり、親だったり。それも入れると500人だ。500人が函館を脱出して、南の島・・・。飛行機は無理だな。船かな。
いろいろ考えたんだけど、どの選択肢も「逃げる」なんだよな。
逃げるって、俺の目指している「かっこいい生き方」とは反対方向にあるんだよ。
目に見えない恐怖、目に見えない放射能とどうたたかうのか。
福島県がチェルノブイリ化する前に、決断しておかないとな・・・。
答え、出せるだろうか・・・。
新天地へ向かって、目指すとも言えるのではないでしょうか?「逃げる」ではなく「前進」。
昔、コロンブスが香辛料を求めて船でアジアを目指したように。
でも、僕は四季が美しい日本が大好きです。