加藤進@永遠の旅行者
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ベトナム旅行で学んだこと(長文)

① 加藤進はまだまだ刺激が欲しい年頃なんだな。
 ベトナムは本当に刺激的だった。一番良かったのはカントーで乗ったバイクタクシーだ。そもそも日本で手に入る情報では「バイクタクシーは使うな」だった。料金トラブルや変なところに連れて行かれて囲まれたとかそんな情報ばかりだった。その「うわさ情報」を吹き飛ばして、自ら一歩踏み出してみたところ、本当の楽しみを手に入れた気がした。ノーヘルで夜の街をドライブしたのは本当に刺激的だった。相手はベトナム語しかわからないドライバー。私は日本語はネイティブだが(あたりまえだ)、偽英語しか話せない。こんな赤の他人以上の他人が一緒のバイクで2ケツで夜の街をドライブしている。このことがベトナムで一番楽しかった。私は刺激が欲しい。どきどきしたりわくわくしたり。危ない目にもあいたいし・・・そういう欲求が今でも存分にあることを再確認した。そして、その欲求が1年分くらいは満たされた満足感がある。
② 現地の言葉を大切にしようとする心が相手に伝わる
 「こんにちは」「私は日本人です」「あなたのお名前は?」「私の名前は加藤進です。」「あなたは何歳ですか?」「私は39歳です」「これはいくらですか?」「これは何ていうものですか?」「おい、君」「あのー、すいません」「ごめんなさい」「勘定してくれ」「あなたは美人ですね」「これ、ください」「アイスコーヒー、砂糖抜きで」「お茶ください」
 私が覚えたベトナム語はこれらと数字です。買い物をするときなどは必ず数字が出てきます。年齢もそうですが。それをベトナム語で言えただけでも相手の反応は違います。都会の人・・・観光地の人は英語が話せます。日本語もわりと勉強しています。相手が「テンサウザントドン(1万ドン)」と言ったときに「ムオイギンドン」と言い換えて言っただけで、ナムギンドン(5千ドン)にディスカウントしてくれるようなことが簡単に起こります。これはとても大切な国際的なコミュニケーションルールじゃないかと思いました。欧米人は平気で英語でコミュニケーションをとろうとします。私が見かけた外国人でベトナム語で話す努力をしていたのは日本人だけでした。日本にはいい本があるのですが、外国には無いらしいです。まあ、需要がないということも言えるかもしれません。私が総理大臣になって外交をするときには、しっかり訪問国の言葉を勉強して、少なくとも上記くらいは身に着けてから行きたいものだと考えました。
③ 異文化の尊重
 私は外国をベトナムしか知らない。しかし、日本と違うなーって言うことはいろいろあった。たとえば、トイレで使ったペーパーをトイレに流してはいけない。高級ホテルは別だが。ほかに、食べているときに出るゴミや買い食いしたときのゴミなどを平気で道端に捨てる。あるいはテーブルの下に捨てる。これは日本人である私には本当に抵抗があった。「ゴミ箱はどこですか?」なんて言っては、「ここに捨てろよ」と地面を指差された。ではこのゴミはどうなるのか? 道路のゴミは公務員のような人が定期的にやってきて片付けていくのである。お店の中のゴミも定期的に定員が掃いていく。出たゴミをいちいちゴミ箱に捨てに行く労力と、ぽいぽい床に捨てて、それをあとで一度に掃くのとでどちらがいいかということか。これはどちらがいいとは言えないだろう。日本人は前者が良いというだろう。ベトナム人は後者が良いと言うだろう。「うわー、きったねー」なんて言うんじゃなくて、面白い文化だなーって受け止めることが大事だよなって思った。
 メコンの川もいろんな使い方されていたな。水浴び、洗濯、食べ物洗い、水上マーケットでは商品にならないものなどをバンバン捨てていた。水上の家なんかは汚物をそのまま捨ててるような気がする。あの川は科学的にはどのくらい汚いんだろうね。
 あ、そういえばもうひとつ面白い文化に小さな女の子が平気で店先や道路でパンツを下げ、おしっこをして、拭きもせずにパンツを上げる。そのおしっこが親の足元に流れてきてもよけようともしない・・・あれは不思議だ。通りかかる人たちもだーれもびっくりしない。まあ、びっくりしているのは俺だけだ。何歳になったらそれをしなくなるんだろうなー。
 ベトナムの人から見ると、公衆トイレで便座にいちいち敷く紙のシートとか、抗菌仕様とかアホらしくて笑いが止まらない文化なんだろうな。
④ 交通ルール
 ベトナムの交差点には信号機がほとんど無い。ベトナム中の交差点の99.99%には無いといって良いんじゃないだろうか。おそらく速度制限のネズミ捕りも実施されていない。全くの自己責任で車とバイクと自転車と人が行きかっている。50cc以下のバイクなら免許も要らない。さらにバイクに4人のりとか平気でしている。飲酒運転も問題にならないらしい。俺は、これ、いいなーって思う。こんな道をバイクタクシーで走るのは下手なジェットコースターよりもスリリングで楽しかった。
⑤ 物価が上昇している
 3年前は5000ドンで食べられたフォーが今回は平均で2万ドンくらいした。話に聞くと1万ドン以下は無いらしい。たった3年でも物価ってこんなに動くんだなーって思った。
⑥ 世界の格差
 私はベトナムでの5日間の滞在費用を7万円以内と計算した。そこで成田空港で7万円をドルに買えた。100ドル紙幣3枚のうち2枚をベトナムドンに変えた記憶はあったが、とにかく金に困ることは無かった。最終的にいま、手元にある外貨を確認すると、ドルが380、ドンが562000あって、日本円に戻すと45700円である。ホテルに2泊し、2泊3日のツアーに参加し、豪華船にのり、バイクタクシーに乗り、空港往復のタクシーに乗り、食べたいだけ食べて、飲みたいだけ飲んで、滞在にかかった費用は24300円だ。あ、お土産で3500円使ったから、実際には2万円程度の滞在費だ。これはびっくりだ。もっとも高いのはホテル代だ。1泊20$。これがカンボジアだと3$とか4$とかがあるらしい。日本はビジネスホテルで40~50$だ。全然ちがうな。
⑦ 大切なのは探究心・冒険心、そして勇気
 22歳で英語ペラペラの日本人の青年男性がいた。話を聞くと高校時代に1年間カナダにいて英語は身についたらしい。22歳にしてすでにベトナムは13カ国目とのことだった。君はすごいねーって話したら、もっとすごい人がいるという。英語が話せないのに海外一人旅をする女性だそうだ。実際に参加したツアーに部分参加した女性がいた。20歳って感じのボーイッシュな・・・色気の無い女性(失礼!)である。この人は同じ参加者の男性に「アーユーアローン?」と質問されて、2回質問されて、「アイキャントアンダースタンドイングリッシュ」とバシーッときめていた。私が学生時代に私を取り巻く世界の中で「基本はDO」という言葉がはやったことがあった。あらためて実行することは大切だって思った。
⑧ 義務教育の大切さ
 ベトナムで見たくない光景が1つある。子どもから受ける「たかり攻撃」だ。花を買ってくれ・・はまだ美しいが、ガムを買ってくれ、宝くじを買ってくれ・・・これも商品が介在するからまだましだ・・・究極は金をくれだ。しかも、平日の昼間にえんえんそんなことをしている。貧乏人は子どもを学校にやれないらしい。これらの子どもたちは大きくなって、子どもが生まれても同じことを子どもにさせるだろう。こうして学問無く育った子どもは大人になっても、発想が貧困であるだろう。
 日本においては子どもは教育を受ける権利があり、親には子どもに教育を受けさせる義務があり、義務教育はこれを無償とするということが、一部徹底されていないがほぼ達成している。これはすばらしいことだなって思った。ベトナムの子どもたちも学校にいかせてやりたい。最後の夜に花売りの娘に会った。とても美人な8歳だった。あの子どもに学問があったなら、知性の輝きを放つなら、どんなにすばらしい可能性が備わるだろう・・・そんなことを思うのだ。ベトナムで出会った子ども達はどの子も本当に愛らしい屈託の無い子どもたちだった。公園でDSをしている日本の子どもとは比べ物にならないほどいい笑顔をしている。
 この笑顔に教育の光をあててあげたい。
⑨ 楽しいのはコミュニケーション
 ベトナムの人はずるい人、悪い人ばっかり・・・そう思っていた。でも、それは違った。私と接した人はみんな親切だった。片言のベトナム語と英語と、笑顔と、身振り手振り・・・どんなもので、かなり深いところの心の交流ができるものだ。2泊3日のツアーの印象もほとんどコミュニケーションに関するものばかりだ。これはお金で買えない価値がある。世の中で一番価値のあるもの、それはほとんどのものはお金では買えない。来年も海外に行こうと思っている。カンボジアが面白いらしい・・・ベトナムで出会ったバックパッカーは異口同音にそう言っていた。カンボジア・・ウッシッシ。

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ベトナム一人旅

選んだ国はベトナム。理由は次のとおり。
1、1度行って、気に入った。
2、アジアが好き。
3、1回目でだいぶ言語を覚えていた。
4、物価が安い。
1回目の旅行では弟の嫁がベトナム人で、彼女が何でもやってくれた。今度は一人旅・・・十分な刺激を楽しめるだろうと思って行った。
予想以上に刺激的な旅だった。
2月22日22:40(ベトナム時間)ベトナム着、2月27日0:05(ベトナム時間)ベトナム発という旅だった。
ベトナムにいる時は、たくさん食べて、たくさん寝て、たくさん遊んで、元気いっぱい、健康満点だったが、帰りの飛行機が離陸した途端に疲労がでて、3月1日の今日になっても身体が疲れている。
やっぱり年には勝てない・・・ってことか・・・。

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なぜ海外旅行か。

3年前の1月、弟がベトナム人と結婚するということでその結婚式に出席するために、初めての海外旅行を経験した。1週間ほどの旅だったが、恐ろしいまでの衝撃を受けた。それまでの私は世界を理解していた。地球は丸いし、半径は6400kmあるし、海は7割をしめているし、いろんな国にはいろんな言語があるし、世界の富は一部の国に偏っているし、さまざまな時差があるし・・・。など、世界っていうものを理論的に理解していると思っていた。
しかし、世界は違っていた。リアルな世界はまったく別のものであり、私の知っている世界というものはリアル世界の10%にも満たないものであった。36歳にしてはじめて知った、自分の無知。本当にあせった。
ITのすごいところは距離が無いっていうことである。世界とのコミュニケーション、世界とのビジネスが容易になる、それがITであり、私の経営する企業はIT企業の端くれである。世界を知らずして、どうやって未来を切り開くんだ・・・?。単純に焦った。
それと、函館にある「道水」という会社の社長の講演も刺激になった。海外でマグロの養殖をやって大成功している会社だ。
私は妻に宣言した、
「俺、誰が何と言おうとも、年に1回は海外に行くから。そのつもりでいてくれ」
しかし、第3子が生まれ、その子育てを放棄するわけにも行かず、月日が流れた。
そして、今年の2月、ついにさまざまな大小のハードルを乗り越えて海外旅行を果たした。

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加藤進(かとうすすむ)

加藤進

Susumu Kato

  • アトム不動産 代表

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