地獄に天国をつくる夢
暇なので死後の世界についての夢を書いておく。
私が死んだら閻魔大王に裁かれる。天国か地獄かを裁かれるのだが、閻魔大王による私への裁きは「天国行き」だ。
でも、私はそこで、「どうか、私を地獄にやってください。お願いします」と頭を下げる。
そこら辺にいる天使も鬼もビックリだ。
私にとって、天国はつまらない。
私の天国のイメージ。
一年中暑くもなく寒くもない。
酒が美味いらしいが、俺は飲まない。
お姉さんは綺麗らしいが、密会は許されない。
死んだ爺さん婆さんとかたくさんの先祖たちがいて、仲良くしないとならない。
食べたいものはいくらでもあって、どれだけ食べても太らない。
労働は不要。すべてが用意されている。お店はあるけど、欲しいものを欲しいだけとってもいい。
何よりも苦しいのは永遠の命だ。そんなくだらない社会に、痛くもかゆくもない社会に、死ぬこともできずに生き続けるほどの苦痛があってたまるか。
俺は絶対に天国には行かない。
私は閻魔大王の裁定を覆して、自ら選んで地獄に行く。だから、地獄の鬼たちは、私の事を特別に扱うことになる。
私はまず、鬼たちの労働環境の改善に力を尽くす。針の山を作る者に怪我が無いように防具を用意し、地獄の釜の燃料をくべるのも機械化します。労働時間も減らします。鬼のパンツなんかもファッショナブルなものを流通させます。
鬼たちは笑顔で働くようになります。
次に地獄にやってきた後進のものたちにです。彼らに安らぎを与えます。断末魔反対の運動を起こし、苦痛は1日に8時間。土日は休みにします。大変な苦痛の後だからこそ、安らぎの時間が天国になります。そう、地獄があるから天国がある。この世と同じだ。
そうして、地獄に笑顔が溢れます。天国でのうのうとくだらない時間を過ごしてたみなさんが、みんな地獄への亡命を希望します。
神も仏も、みんな加藤進に嫉妬します。
そこで私はかれらに言います。
「お前は天国、お前は地獄、そんな差別はしちゃいけないよ」
そうして、神も仏も天使も鬼も、みーんな加藤進にひれふすのです。
とてもささやかですが、それが私の死後の夢です。ご静聴、ありがとうございました。