マイホームの夢
若者が見てはいけない夢のひとつがこれだ。
「一生に一度の買い物」
「男だったらマイホームを持つのが・・・」
「奥様や子どもたちのためにも」
「省エネ・・・オール電化で諸経費も安くなります」
「今の家賃に1万円足すだけで、自分のものになるんです」
「35年ローンなので、負担は軽いです」
「万が一、ご主人様がなくなった場合は、残りのローンは保険で出ます」
普段は高くても車の100万円くらいの買い物・金額しか扱わないだけに、数千万円の買い物となると、気持ちも舞い上がってしまう。美しいモデルハウス・モデルルームを見て、頭の中で自分の家族とそこでくらす空想が膨らみ、その気にさせられてしまう。
加藤進はマイホームは絶対に持たない方針だ。
① 設計するのが面倒だ。
たった4~50坪にたくさんの部屋や収納を使いやすく設計するなんて考えただけでぞっとする大変な作業だ。しかも家族の意見や建築屋の考えなどもすり合わせて相当な時間を使う。
しかも、実際に建設が始まってから、あーでもないこーでもないが始まる。建設が始まってからの設計変更は当然価格の上昇につながる。
そうやって建てた家だって、必ず不満が出る。
マイホームは3回目くらいでやっと自分の好みの、思い通りの物件が建つらしい。一生に一度なら、不満だらけの家が建つのが当然だ。
② マイホームの価値
3000万円で建てた新築の家も、1日住めば2000万円の価値になる。売ろうとすると価値は下がる。時代が時代だしね。
③ あと1万円足せば・・・のからくり
まず、月々の支払額は高くなります。さらに固定資産税という税金もかかってきます。
④ 35年ローン
それまであなたは働いていますか?収入がありますか?
何らかの理由で職を失った途端に支払い困難となり、ずうっと長年かけてローンを払ってきているのに、あっというまに銀行に取られて競売にかかったりします。
私はマイホームの夢は虚構の夢であり、建築屋さんと銀行が結託して庶民から金と家とをむしりとるシステムだと考えています。言葉巧みに夢を見させて、契約をし、破綻するまでは一生懸命支払いをさせ、支払いが滞ったところで奪ってしまう・・・。35年ローンは消費者のためのようで実はハードルを低く見せつつ、ながーく金利をむさぼりながら、最終的にはただでその家と土地を手に入れるシステムではないかと思うんです。
⑤ 男の甲斐性
マイホームを持つのが男の甲斐性・・・っていう洗脳だな。実際にはこの魔のトリックに騙されないのが甲斐性ってもんだ。
<夢の借家生活>
我が家は生涯、借家でいくことを決めている。
理由は次のとおり。
① 買い手市場・借り手市場である。
② いくらでも物件があるので、選び放題だ。
③ リフォームすることなく、家族構成の変化に応じて引越しすればいい
④ 固定資産税がかからない。
⑤ 不具合の文句は大家に言えばいい。
⑥ 不具合が直らなければ引っ越せばいい。
⑦ 気が向いたら気軽に移りすめばいい。
⑧ 貧乏になったら貧乏な家、金持ちになったら立派な家に簡単に住み替えできる。
マイホームの夢=虚構の夢に騙されて家を手放す人がいくらでもいます。函館は1年で3000人以上、3年で1万人が街を出て行きました。大通り沿いでも、山奥でもいくらでも空き家、売り家があります。電話して価格交渉すれば相当さがります。きっと。
誰かが見た夢を安く手に入れる・・・買うのもよし、借りるのもよし。それが賢い現代の暮らし方ではないか。